2008年までご愛顧いただいた「目指せFI」ウェブサイトは2009年、「FI Planning」として全面リニューアルいたしました。

今後は新ウェブサイトをご利用いただきますよう、お願いいたします。

www.fiplanning.com

住宅

1. 住宅購入のステップ

家を買うまでのステップは次のようなものです。

  • 購入について考える
  • 資金準備
  • 購入手続きの把握
  • 家探し
  • 購入手続き
意外に思われるかもしれませんが、「家探し」は住宅購入のステップの中でも最後に近いステップです。自分の人生プラン、ライフスタイルに合った家を手に入れるには、家探しの前のステップがとても重要なのです。

アメリカで本当に家を買ってみよう、という人は大雑把な流れを掴んだら、細かいところは本やセミナー(地元の不動産屋が無料で開催するときもある)などで勉強してください。本サイトでは全体の流れと考え方、そして本には余りかかれる事がないコツなどについて紹介していきます。

2. 住宅購入を考える前に

家を買うと言う事が自分に取ってどういう意味を持つか、というのは人それぞれでしょう。「自分の城」「家族団欒(だんらん)場所」「家賃を払うくらいだったら買ったほうが得」「将来値上がりしたら儲かる」などなど・・・自分の「思い入れ」が強いと、物を買うときのこだわりも強くなる訳ですが、こと「家」に関してはそれが大きく出てくるのではないでしょうか?しかも家は普通の人に取ってはおそらく一番高い買い物だと思います。ですから、ちょっとの「こだわり」の差で大きく出費が変わってきます。得をする場合もあるでしょうが、損をして口惜しい思いをする事もあるかもしれません。自分がどういう「思い入れ」で家を買おうとしているのか、じっくり考えてから行動を始めるといいでしょう。

家の購入よりもまず先に・・・

家を買うより前に、家を買おうと思い始めるより前に、考えておくべきことがあります。1つは家計のやりくりです。今の収入は安定していますか?支出はどうでしょう?当たり前の事ですが、収入よりも支出が多い状態では、住宅購入は難しいと言えます。簡単にいってしまえばFIレベル−(マイナス)の状態では家は買えない、あるいは買ってはいけない、と言う事です。現在の支出が多いと言う事は、それだけ余裕がないわけですから、住宅購入資金だけでなく、購入した後の支出や、長期のローン返済を考えると責任ある返済ができないかもしれない訳です。

もちろん、収入や支出の内容によって「住宅を購入したほうが節税できる」「借りるより買ったほうが長期的にみれば得」という言い訳もあるでしょう。例えば今のアパートは都会にあり高い家賃だが、買うなら少し郊外にするので、ローンは家賃よりも安いから大丈夫、というものです。この手のロジックはその人の「消費癖(あえて浪費癖とまでは言わないでおきましょう)」を隠すための手段でしかありません。都会の交通便利なところに住んでいる人が家を買うからといって郊外の小さな家を買うでしょうか?本当に郊外に住んでもいいと思っているなら、郊外のアパートに住んで浮いた家賃を貯金するところから始めるべきでしょう。

もう1つは自分の人生プランと家がどのように関係するか、ということです。例えば、ここアメリカに住んでいる日本人なら、将来に渡ってアメリカに住みつづけるのか、あるいは日本に帰るのか、といったことは家を買うか買わないか、買うとすればどのような家にするか、ということに大きく影響します。家は一度購入すると、(アパートを借りるのと比べて)ある程度長期間保有しないと、そのメリットが出てきません。ですから、すぐに引っ越す可能性がある場合は、家の買い方も変わってくるでしょう。また、同居家族が増えるかもしれない(子供が生まれたり、親と一緒に住むことにしたり)、あるいは減るかもしれない(子供が巣立っていく)なども住宅購入前から考えないといけないでしょう。

これらのことを考えて整理してから住宅購入を考え始めたれば、そのときの考えや衝動に左右されず、賢い住宅購入ができます。家計もしっかりしていて、今後の人生プランがはっきりしたら、「家を買うか考える」準備ができたと言えます。この時点では、家を買うかどうか、考えるだけです。もし、住宅購入が家計と人生プランに合わなければ、今は買わない、という結論になることもあるでしょう。

購入の目的

さて、上記の「家計」と「人生プラン」を元に、家を買おうか考え始めましょう。家を買う目的は「住むため」の一言で言い表されるとは限りません。例えば家計をしっかり見直した結果、家を購入したほうが経済的なメリットがあると分かることもあるでしょう。また、子供が増えたり、学校に行くなど、家族のことを考えて家を持ちたい場合もあるでしょう。あるいは一旦、小さ目の家を買っておいて、家族が増えたら大きな家を買い、1件目は賃貸物件として人に貸す、という投資効果を考えて買う場合もありえます。いずれの場合でも、「なぜ(借りるのではなく)買うか」という目的をはっきりさせましょう。いくつか制限があるものの、借家であってもアパートから一軒家まで、同じ地区に似たような物件が見つかる可能性もあるわけですから、借りることと買うことは何が違い、自分にとってメリットがあるかを見極める必要があります。

この「目的」を第一に決めることはとても大切です。自分の理想とする広さで、新築(もしくはリフォーム済み)で、場所も良くて、作りもしっかりしていて、しかも手ごろな値段で、将来値上がりが確実で・・・などという、完璧な物件はありません。気に入った家だけど、気に入らない個所もある、それが家です。目的をしっかり決めることで、どういう条件が一番大切かはっきりし、家を購入する時に「邪念」が入ってくることがなくなります。例えば、良さそうな物件が2つあって、1つは1万ドル高いけど素敵な暖炉がついている、もう一つは暖炉はないけどその分安い、としましょう。もし、家の「目的」が家族団欒の場、暖かいぬくもりのあるリビングでくつろぐ、などであれば、1万ドル出しても暖炉がある家の価値はあるかもしれません。しかし、目的が「経済的にメリットがある家に住み、引っ越した後は人に貸して投資物件として保有する」であれば、1万ドル分の価値を見出すことは難しいでしょう。

つまり、購入の目的を決めることは、その目的にふさわしい家を見つけるための指針を決めることです。指針がしっかりしていれば、予算、場所、広さ、設備など、家を選ぶ上で重要な要素をその時の気分に流されることなく、客観的に選択していくことができます。

3. 資金作り

さて、家を買う目的がはっきりしたら、その目的のためにふさわしい家の予算を決めましょう。予算は次の要素に依存します。

  • 頭金(とその他の初期費用)
  • 毎月の返済可能額
  • 金利

資金作りをしている段階では毎月の返済可能額や金利は正確には予想できません。例えば5年後に家を買うと決めても、5年後の収入(返済可能額に影響する)や金利はあらかじめ正確には予想できないわけです。そこで、毎月の返済額と金利は大雑把に考えて、頭金と初期費用をどのくらい貯めていくか、ということを中心に資金作りを考えてみましょう。

準備資金の目安

アメリカでは頭金(Down Payment)は住宅購入価格の20%以上が一般的です。詳しくは住宅ローンの節で説明しますが、一般にローンを組む時、住宅価格の80%までしか貸してくれません。ですから、足りない分20%は頭金として払う必要があるのです*1。そこで、資金作りとしては、自分が買いたい住宅価格帯を考え、その20%を貯めることが最初の目標になります。例として10万ドル前後が価格帯だとすると、その20%、つまり2万ドルが頭金の目標になります。

準備しなければいけない資金は頭金だけではありません。住宅購入の際はさまざまな手数料が掛かります。ローン申請料、検査費用、書類作成料、利息手数料、弁護士費用、税金などなど。。。こういった手数料をローン自体に組み入れると言うテクニックもありますが、基本的には購入時点で現金で支払うことになります。概算としては、住宅購入価格の3〜5%程度になるでしょう。手数料はローンの組み方や購入条件でも変わりますが、多めに見積もっておいて損はないでしょう。余りが出たら頭金に回して、将来払う利息を減らすということもできます。

その他の資金としては引越し費用、家具購入費用、修繕費用などを用意しておきます。特に家具などは見過ごされがちです。家を買ったら自分の思い通りの部屋にしたい、といった家そのものに関係する費用から、高級住宅街に家を買ったので、「それにふさわしい」車が必要になる、といった(まったくFI的でない)支出まで発生するかもしれません。いずれにしても、家を買った後のライフスタイルまで考えて資金を貯める必要があります。

資金計画

頭金、手数料、引越し費用などを計算して必要な額が分かったら、それを貯める計画を立てます。10万ドルの家を考えて、頭金2万ドル、手数料などで5%=5000ドル、その他の費用として5000ドル、合計3万ドルと見積もったとしましょう。これを5年間で貯めるとすると、単純計算で毎月$500ずつ貯める必要があります。貯めていくお金はしっかり運用して利息がつくので、$500よりも低くてよい、という考えもあります。しかし、私は利息の分を「おまけ」と考えて、単純に月数で割った額を毎月、きっちり貯めていくことをお勧めします。

その理由は2つあります。1つは住宅価格の上昇です。場所によって住宅価格の上昇率は違いますが、今、10万ドルの価格の家は資金は、資金が貯まった5年後には今よりも高くなっているでしょう。ですから、利息はその上昇分と相殺される、と考えておくのです。もう1つの理由は利息を計算の中に組み入れると、元々予定していた利率が得られなかった時、資金計画が狂います。利息を「おまけ」として考えておけば、目標額が早く貯まればその時に住宅購入を考え始めてもいいし、予定した期間貯めて、資金に余裕がある状態で家を探してもいいことになります。つまり、選択肢が増えるということになります。家という高額な買い物をするわけですから、資金に余裕がある状態=心にも余裕がある状態が良いでしょう。

資金計画の注意点

資金計画そのものは上記のような形で計算すれば金額がすぐに算出できます。ここで忘れてはならないのは、住宅購入の資金以外のお金のやりくりを忘れない事です。家を買ったときに貯金額が$0になってしまう、というのでは困ります。また、購入時期にもよりますが、大きな支出はあらかじめ支払い予定を考えておきましょう。年払の保険料(例えば車だと$1000以上することもありますよね)、税金、医療費など、家を買ってから1年以内に発生する支出を把握しておきましょう。

それとは別に、普段の生活に必要な資金にも余裕を持たせましょう。よく使われる計算方法は、普段の生活費の3か月分をSavingに入れておく、というものです*2。住宅購入に限りませんが、自分の手持ちのお金を全て使ってしまっては、突発的な支出があった場合、身動きが取れなかったり、損をしてでも資産を処分しなければいけなくなったりします。せっかく買った家を、突発的な出来事のためにすぐに売らなければならない状況は避けたいものです。

実行することが大切

資金計画ができたら、とにかくそれを実行していきましょう。毎月の予定額を貯金するためには現在のライフスタイルの中で我慢しなくてはならないこともあるかもしれません。自動引き落としなどの手段で強制的に資金作りをすることをお勧めします。住宅市場は毎年、変わっていきますから、目標達成の半年から1年位前になるまで、家の事は取り合えず忘れましょう。途中で家探しなどをはじめてしまうと余計なこと*3に邪魔され、せっかくの計画が守れなくなることもあります。とにかく、資金作りだけに集中して、実際にどういう家を買うかは準備ができるまで気にしないことにしましょう!*4

*1 : もちろん、それ以下の頭金で買う方法もたくさんあります。しかし、そういった方法は正当な理由がない限り、返済計画に無理が出やすく、また、手数料や利息で経費が掛かり、無駄が多くなるので、お勧めしません。
*2 : この考え方は投資に回す額を決めるときなどにも良く使われます。
*3 : 例えば、「少ない頭金でも換えますよ」などというセールストーク
*4 : もちろん、実際には自分の状況(収入、家族構成など)の変化に応じて、計画を変える必要がでることもあります。計画を変更するのは構わないのですが、あくまで資金を貯めることに集中するのが大切、という意味です。
Copyright (c) 2002 - 2008 Nobu - All rights reserved.