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クレジット

1. クレジットとは?

クレジット(Credit)を辞書で引いてみると、「貸方」や「掛け(での取引)」という意味以外に「名声」や「賞賛」という意味まであります。日本でもそうですが、アメリカではクレジットが社会的な信用を示す、重要なバロメーターとして使われています。「クレジット」とつく言葉を考えてみれば、その多くが社会的信用に結びつくことがわかるでしょう。クレジットカードはゴールドやプラチナなど、ステータスシンボルとして、その人の信用を表しています*1。後述する「クレジットヒストリ」は、信用調査に使われる最も一般的なものです。

現在のアメリカでは「Credit」は自分が「掛け」で買う取引(クレジットカードでの取引など)も、自分が「貸方」になる取引*2も、「Credit」という言葉を使います。ここでは、「クレジット」を自分の金銭的信用を得るためのもの、と捉えて話を進めましょう。

クレジットとつく言葉のうち、日本人が一番知っているのは「クレジットカード」ではないでしょうか。クレジットカードは使う側から見れば借金をしているわけで、この借金を返していくのは信用を得る重要な要素です。その他にもローンなどの借金の返済記録は「クレジットヒストリ」として記録されます。このクレジットヒストリこそ、信用を数値化したもので、借金をするとき、アパートを借りるとき、あるいは仕事につくときまで調べられる事があります。

納得がいかないかもしれませんが、クレジットヒストリは借金の記録のため、借金がまったく無いと、信用もない事になってしまいます。借金が多すぎても信用がなくなるし、借金がなくても信用がない。ほどほどの借金をきちんと返しつづけることが、信用を得る道、という訳です。この仕組みをしっかり理解しておくことが重要です。

2. クレジットカードの使い方

アメリカでFIを目指すためには、必ずクレジットカードが無ければなりません。クレジットカードを使う目的は次の3つです。

  • 社会的信用を得るため
  • クレジットヒストリを作るため
  • 便利だから
クレジットカードを使うときは、この3つの目的を忘れないようにしましょう。これ以外の目的では決して使ってはいけません。

社会的信用を得るため

カード社会の現在、クレジットカードを持ってなければ社会的に信用されない事があります。例えばホテルに泊まるとき、クレジットカードが無ければ泊めてもらえないかもしれません。泊めてもらえたとしても、宿泊料以外に多額のDeposit(保証金)を最初に預ける必要があります。つまり、クレジットカードは社会的信用の証として通用するのです*3。特にアメリカでは金額が高いものの場合、現金で買うと余計に怪しまれる事さえあります。

クレジットヒストリを作るため

FI達成のためには、ある時点で借金をするのが賢い選択のときがあります。例えば家を現金一括で買う人はほとんどいないと思います。そのような時、ローンを組む事になるのですが、貸し手(銀行など)は、貸す相手がきちんと借金を返済できる人にしか、お金を貸しません。そのような時、貸し手は相手のクレジットヒストリを調べて、その人が今までに借金をきちんと返してきたか確認します。このクレジットヒストリに悪い記録が残ってたり、あるいはヒストリそのものが無いとお金を貸してくれません。クレジットカードを使い、その借金をきちんと返済する事は良いクレジットヒストリを作るために欠かせません。

便利だから

クレジットカードは賢く使えばとても便利です。大きな現金を持ち歩かなくて済みますし*4、ガソリンスタンドなど、カードであればさっと給油する事が出来ます。真っ当なクレジットカードは、毎月、全額をすぐに返済すれば利息もつきませんから、きちんと管理できればカードほど便利なものはありません。

また、インターネットで買い物をしようとしたときにクレジットカード以外で代金を支払うのは難しいでしょう。ほとんどのサイトがカード以外受け付けないか、面倒な方法を取らないといけません。もちろん、インターネットでカード番号を入力するときは、そのサイトが安全か、しっかり確認してからにしましょう。

支払方法

アメリカのクレジットカードは返済金額が自由なリボルビング払いが基本です。毎月の請求書には最低払わなければいけない額(Minimum Payment)が書いてあり、それ以上であれば返済額はいくらでも良いのです(その月に全額返済する必要はない)。しかし、クレジットカードは信用・ヒストリ・便利さの3つのために使うものです。 決してお金を借りるために使ってはいけません。利息は大抵18%以上と高く、特別な理由が無い限り、クレジットカードで借金をして有利になることはありません。必ず毎月全額返済しましょう!全額返済すれば利息もつきません。クレジットヒストリを作る上でも、毎月きちんと返済する事は大切です。毎月借りた分を返さず、常に返済残高がある人はヒストリの点数(FICOスコア)が悪くなります。せっかく信用とヒストリを高めるために作ったのですから、その為に賢く使っていきましょう。

3. クレジットカードの作り方

鶏と卵

クレジットカードを作るにはどうしたらいいでしょうか?アメリカに来てすぐ、クレジットカードに申し込んでも、大抵はReject(発行拒否)されます。クレジットヒストリが無いからです。では、ヒストリを作るにはどうしたらいいでしょうか?日本からアメリカにやってきた最初は、あなたのクレジットヒストリは全くありません。まず最初にSSN (Socail Security Number)*5が必要になります。アメリカで働けばSSNはすぐに取れますので、働いている人でこれを持ってない人はいないでしょう*6。全てのクレジットヒストリはこのSSNに対してつけられますので、SSNの管理は慎重にしてください。 次に、何らかの方法でお金を借ります。借りるときには必ずSSNが求められますので、これで初めてあなたのSSNのクレジットヒストリができるわけです。さて、お金を借りるいちばん簡単な方法はなんでしょうか?そうです、クレジットカードです。ですので、クレジットカードを作ってください(ここまで読んだら、 この節の最初から読み直してください。以後、永遠に続く・・・) なんと言う矛盾でしょう。クレジットヒストリが無い人にはクレジットカードが作れないのです。

最初のクレジットカード

では、一体どうやって最初のカードを作ればいいのでしょうか?いくつか方法があります。私が取った方法は、大手の銀行で国際部門があるところに銀行口座を作ります。それを給与の受け取り口座にして、定期的な収入があるようにします。その後、日本のクレジットカードの過去の明細書(1年分以上)を国際部門に持っていき*7、そこで「私はきちんとお金を返せる能力があるのでクレジットカードを作ってください」というわけです。私の場合はそれ以外にも、雇用主から「この人は○○会社の従業員で、給料は△△であることを証明する」という内容の手紙を人事に書いてもらう必要がありました。

Secured Credit Card を作る方法もあります。これはクレジットカードなのですが、担保として$1,000とか$2,000を銀行に預けます*8。その預けたお金は「担保」としてずっと取って置かれるので、カードを使ってもそこから引かれる訳ではありません。使った分は普通のクレジットカードと同じように請求書が送られてくるので、期限までに支払います。これでずっと支払いをしていればヒストリーが出来ます。カードによっては信用が置けると判断されれば、預けたお金が戻ってくることもあるようです。

Secured Credit Card のメリットは、支払いが遅れたときなどのために銀行は担保を取っておくので、信用が低い(=ヒストリーが無い)人にでも作ってくれることが多いことです。銀行系のクレジットカードであれば自分の預金を保証金代わりに、このSecured Credit Card を作ってくれるところもあるようですから、自分の口座がある銀行に聞いてみるといいでしょう。

もし、日本で American Express カードを持っていたら、それをアメリカのAmerican Express カードにする事も出来ます。奇妙に聞こえるかもしれませんが、日本のAmexとアメリカのAmexは別会社ですから、日本のAmexカードはアメリカではヒストリになりません。しかし、アメリカのカードに変更する事でアメリカでヒストリを作る事が出来ます。アメリカに数年以上住み続けるつもりであれば、簡単な方法としてAmexの切り替えは有効な手段でしょう(もっとも、アメリカに来る前にAmexを作っておく必要がありますが)。

その他の方法としては、勤め先に勧誘に来る Credit Union に口座を作り、そこでカードを作る事ができるそうです。Credit Union としても、自分のところを給与の振込口座にして欲しいし、給与所得があるのであればお金を貸すリスクも小さいと判断してカードを比較的簡単に作ってくれるようです。Credit Unionの担当者は大抵、人事と仲良くしてますから、人事の人に聞いてみるといいでしょう。

4. クレジットカードの選び方

もし、アメリカに来て初めてのクレジットカードを作ろうとしているのなら、最初のクレジットカードで述べた種類のクレジットカードを作りましょう。その場合は、以下に述べる項目にはそれほどこだわらず、とにかくカードを作ってしまいましょう。最初の1枚目を作ればヒストリーができ、しばらくすればもっと有利なカードを作れるようになります。

すでにアメリカでクレジットカードを所有していて、より有利なカードを持っておきたい場合は、以下の項目に注意し、自分にとって使いやすいカードを選びましょう。カードは多くても3、4枚持てば十分ですから、出来るだけ使いやすいものを最初から選ぶのがコツです。カードの保有期間が長いほうがクレジットスコアが高くなりますから、その上でも長く付き合えるカードを作りましょう。

年会費 (Annual Fee)

クレジットカードには年会費無料のものと、年会費を取るものがあります。無料のものは有料のものに比べて借り入れ金利が高かったり、特典(後述)が少ないなどの違いがあります。しかし、クレジットカードの3つの目的を考えると、これは問題になりません。金利が高くても、毎月請求額を全額払えば利息はつきませんから、関係ありません。特典が少なくても、それはクレジットカードの目的ではありませんから、重要視してはいけません。そのため、年会費無料のクレジットカードを作る事が基本といえるでしょう。

年会費が必要なカードを作るほうが有利な場合は限られています。例えば仕事の関係で飛行機を使う出張が多く、勤めている会社が特定の航空会社を指定している場合。こういったときはその航空会社のマイルが貯まるクレジットカードを使い、出張経費も全部そのカードで払ってマイルを貯め、無料航空券がもらえれば年会費を払ってでも作った方がいいでしょう*9。そういった場合でも航空会社はさまざまなクレジットカードと提携していますから、できるだけ年会費の掛からないものを探しましょう。

借り入れ金利 (Interest Rate)

借り入れ金利は支払期限までに全額を毎月払えば関係ありません。キャンペーンで0%金利などがありますが、FIを目指してきちんと払っている人には関係ないのです。

支払猶予期間(Grace Period)

金利よりも重要なのが支払い猶予期間です。Grace Periodはカード会社が請求書を発行してから、支払いが行われるまでの期間です。支払期限に間に合わないと利息やペナルティが付きますから、できるだけ長いほうが良いでしょう。最低でも20日間、通常は25日間あるものを選びましょう。Grace Periodが0日の場合、請求と同時に利息が発生しますから、こういうカードは作ってはいけません。また、どのクレジットカードもキャッシング(Cash Advance)にはGrace Periodが適用されず、引き出したそのときから利息が発生します。クレジットカードでキャッシングは使ってはいけません。

ステータス (Card Class)

多くのカード会社はゴールドやプラチナといった「標準」カードよりも高いステータスのカードを発行しています。余程の理由が無い限り、こういったステータスは不要です。特にそのステータスのために年会費が高くなる場合は、全く意味がないといえます。もちろん、高いステータスのカードは旅行保険がついているなど特典がある場合もあります。しかし、私たちのカードの3つの使用目的を考えれば、こういった特典は意味がありません。余程の理由が無い限り、こういったステータスカードを選ぶべきではありません*10

特典プログラム (Reward Program)

クレジットヒストリーが既にあり、収入がある人ならほとんどの人が上記の項目を満たし、なおかつ何らかの特典があるカードを作る事ができます。キャッシュバックや航空会社のマイルなどから自分の好みで選ぶ事ができます。普通の買い物で特典が得られる場合は折角ですのでもらっておきましょう。無料である限り、特典がもらえるのは良いことです。

クレジットカード会社はカードを使って欲しいためにこういった特典を提供していることを忘れてはいけません。例えば毎月請求額を全額払わず、翌月以降に支払いを延ばすと特典ポイントが倍になる、といった場合があります。この場合、残高には当然、利息が掛かります。利息を払ってでも特典ポイントを稼ぐ意味はありません。また、利息が掛からなくても、特定の商品を買ったり、ある金額以上使うと特典が貯まる(多くなる)場合があります。常にカードを使う3つの目的を思い出して、こういった消費を促す戦略に掛からないようにしましょう。

クレジットカードを作ろうと思ったら、Bankrate.comなどで自分にピッタリのカードを探しましょう。ダイレクトメールや電話の勧誘を待つ必要はありません。

5. カード選びの注意点

Pre-approved

クレジットカードのダイレクトメールで「Pre-approved」と書いてあるものが良くあります。一見、既にカードの発行が「承認」され、本人が希望すれば確実にカードを作ってもらえそうな印象を受けます。しかし、実際にはこの「Pre-approved」の意味はほとんどなく、クレジットカード会社がダイレクトメールを送る際にある程度の条件を満たす人に送っているに過ぎません。そのため、申し込んでもカードを作ってもらえる保証はまったくありません。「Pre-approved」の言葉に惑わされず、自分の状況に合ったカードを適切に選ぶようにしましょう

申し込み回数

クレジットカードに申し込むと必ずクレジットヒストリーがチェックされ、さらにヒストリーに「申し込んだ」という記録が残ります。この記録はクレジットスコアを下げてしまいます。そのため、カードを申し込み、発行を拒否されたからと言って次々に別のカードに申し込むとスコアがどんどん下がってしまいます。スコアが低いために発行を拒否されたような場合は不用意に他のカードに申し込まず、半年から一年、スコアの改善に努めてから申し込むなどの対策を採りましょう。あるいは「最初のクレジットカード」で解説した方法で確実にカードを作りましょう。

Balance Transfer

カードを作る際に、他のカードの残高をそのまま新しいカードに移すことができます。この際、キャンペーンなどで0%金利などが適用されるので、有利だと思ってしまう場合があります。しかし、実際に詳細を読むとそうでないことが分かります。

まず、残高を移す際に手数料が取られます。移す金額の何%と決まっている場合もありますし、一定額が決まっている場合もあります。いずれにせよ、手数料が取られては0%金利でも得になりません。

また、移した残高は0%ですが、そのカードを使って新しくできた残高に対しては通常の金利が適用されます。そしてこれが一番大きな問題点なのですが、毎月の支払いは金利の低い分から先に返済されて行きます。例えば$1,000の残高を別のカードから移し、0%金利が適用されたとします。しかし、新たに$500の買い物をして、通常金利が24%だったとします。すると、その月に$1,000を支払っても、それは0%金利の分として返済され、残った$500は金利24%の分の残高、ということになります。当然、金利が0%でなければ、利息も発生します。つまり、0%だと思って移しても、そのメリットはほとんどない、と言うことになります。

*1 : 実際にはゴールドだからといって本当に信用できる度合いが高いか、というのは別の話になりますが。
*2 : 例えば公共料金を多めに払うと「Credit」といって、超過分を預けた事になり、翌月の請求額から引いてくれます。
*3 : 正確に言えば、それを見せるだけで信用される訳ではありません。ホテルはちゃんとクレジットカード会社にアクセスして宿泊料+保証金を払える能力があるか確認します。
*4 : アメリカでは現金を持ち歩く事は日本よりも危険とされています。いつ、恐喝されても諦められる額を持っているように、とアドバイスしている旅行ガイドがあるくらいです。
*5 : 社会保障番号と訳されることが多い。アメリカで年金をもらうための番号。この番号がその人の納税番号にもなり、お金に関する事は全てこの番号で管理される。
*6 : 学生などでSSNを持っていない人はITIN(Individual Taxpaer Identification Number)を発行してもらえば代わりになります。
*7 : 明細書は日本語ですし、日本で発行されたものです。国際部門がしっかりしてる銀行を選ぶのは、その為です。
*8 : カードの使用限度額は、その預けた担保と同じ場合もあるし、例えば担保が$500で、カードの使用限度額は$1,000というように、担保よりも多く使える場合もあるようです。
*9 : もっとも、無料航空券がもらえるからと無理に旅行し、ホテルや食事に無駄なお金を使ってしまっては意味がありませんよね(^^)
*10 : 現在では昔ほどゴールドカードのステータスが高くないため、これらのステータスカードは簡単に作れます。年会費無料など他の条件を満たすならゴールドになってしまう場合は仕方ないでしょう。
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