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米国税法改革「Tax Cuts and Jobs Act」そして2017年の政局を振り返って

2017年がTimes Squareのボールと共に幕を閉じようとしているけど、振り返ってみると今年はとにかく税法改革の動向に振り回された「ローラーコースター」のような一年だった。ローラーコースターにもいろいろあるけど税法改革動向に関しては乗っていて余り爽快ではないやつ、例えると昔からあるマッターホルンボブスレッドみたいに回ったり下降したりする度に背中が痛くなるようなタイプと言える。紆余曲折あり過ぎて先がどうなるか分からず、ライドが終わった後もスッキリ感に欠けるいバージョンだ。

ローラーコースターと言えば何年経ってもやはりスペースマウンテンに勝るものはない。1975年にフロリダのマジックキングダムでデビュー、その後1977年にカリフォルニアの元祖ディズニーランドに登場し、東京ディズニーランドではオープン時の1983年から存在している象徴的なライドだ。同じスペースマウンテンでも乗る場所や時により、カリフォルニアでは一時昼と夜でバージョンが異なり各々楽しめるんだけど、カリフォルニアのディズニーランドで今日でも昼間乗れる元祖バージョンに近いものは既に40年以上経っているとは思えない格好良さ、感動を提供し続けてくれる。カリフォルニア・アドベンチャー、ディズニーシー、他にもユニバーサルスタジオとかに迫力満点のもっと新しいライドは沢山あるけど、そんな今日日のライドはチョッと凝りすぎてて大概途中で危ない状況に陥って最後は助かって「Thank you fighters…」みたいな演出が多く、ライドそのものと言うよりもスクリプトで売っているような感じ。スペースマウンテンは余計な演出無しでシンプル。宇宙をハイスピードで駆け抜けるというテーマに純粋にフォーカスしていてビジュアルも美しく断然格好いい。その昔はサウンドトラックがなかったらしいけど、今日のカリフォルニアのバージョンはチョッとホラーっぽいメロディーがロッキングリフ風にアレンジされてて、かつ上昇、下降、フィナーレで曲の感じがうまく変化していき星の中を駆け抜けるのにピッタリ。最初に上に向かっていくところのクラシックなNASAのコントロールセンターみたいなやり取りをバックに徐々に盛り上がっていくところから最後に急に明るい光が出てPhoto取られるところまで終始最高。あのNASA風やり取りだけどRAH Bandの「Clouds Across the Moon」に出てくる「Inter-Galactic Operator」の声ソックリ。ちなみにRAH BandってUKとか日本ではそこそこに認知されていた感じだけど、基本的にRichard Anthony Hewsonのワンマンバンドでバンド名も彼の頭文字だ(う~ん単純な命名)。「Clouds Across the Moon」等のボーカルは彼ではなくDizzy Lizzyというファンキーな名前のRAHのWifeが担当している。他にもThe Shadow of Your Loveとか80年代のユーロっぽい結構いい曲。

で、スペースマウンテンだけど、東京ディズニーランドが80年代にオープンした頃、あそこで初めて乗ったバージョンは今のカリフォルニアのやつに近いものだったように思え、カリフォルニアのスペースマウンテンに乗るとあの時の感動が今でも蘇ってくる。FastpassのDistributionが直ぐに終わっちゃってStandby120分待ちでも十分に待つ価値ありってことは間違いないけど、今後待つことがあればiPadミニに「Tax Cuts and Jobs Act」をダウンロードして120分無駄にしないようにしないとね。

という訳で、可決されてみるとそれまでのバタバタが嘘のようで、今では早くも内容を理解してプラニングしたり、コンプライアンスしたりというフェーズにシフトしてしまったThe Tax Cuts and Jobs Act。今後、財務省・IRSから多くの規則、Notice等が出されるだろうな、と思っていたら一昨日早くもNotice 2018-07でテリトリアル課税移行時の一時課税に関するガイダンスが公表されている。

来年早々から気になる条項、特にBEATとか一時課税に関してDeep Diveして書いてみたいけど、今日は年末なのでチョッとポリシー的な角度からこの一年のバタバタの意味するところを考えてみたい。CNNとか見ていると大統領の支持率も低く就任一年目は悲惨でした、というようなニュースが多く、確かにトランプ大統領の言動やTweetには問題が多いのは間違いないけど、こういうみんなが見て喜ぶ三面記事っぽいニュースだけ見ていると、現政権(大統領というよりも行政府)が強かに進めている動きを見逃すとまではいかなくても油断して過小評価してしまうリスクがあるような気がする。

この一年、表向きにはハチャメチャなイメージを醸し出しつつ、実は政策面では保守派が喜びそうな成果を着実に上げた一年ではないだろうか。細かい成果はいろいろだけど、代表的なものを上げると、まずは憲法原意主義だったScaliaの最高裁判事後任に同様の法哲学を持っていると言ってもいい保守派のNeill Gorsuchの任命に成功したこと。控訴裁判所(Circuit Court)への判事任命も多数。控訴裁判所とか地方裁判所、州最高裁とか、連邦最高裁以外の任命って余り注目されないけど、実は米国社会に与える影響力は大きい。John Grishamの「The Appeal」はその辺りの話しをうまく作品化している。興味ある方にはお勧めの一冊。

次に労働問題から環境問題に至る実に広範な分野で行政府で許される限りオバマ政権時代の規制の多くを撤廃または緩和した点。規制緩和は、朝令暮改の表面的なトランプ大統領の言動とは180度逆に首尾一貫して整然かつ冷徹に実行されている観がある。また、国防総省の独立性の回復も前政権からの反転ポリシーだろう。オバマケアの廃案そのものには失敗しているが税法改革の中でオバマケア骨子の一つとも言える個人に医療保険加入を強制する措置を撤廃している。そして年末の31年ぶりの税法改革。

The Tax Cuts and Jobs Actは前述の規制緩和と並行して減税、特に法人のような事業主体に大きな減税を講じることで経済成長を達成するというサプライサイド政策を実現している。1974年のフォード大統領の補佐官だったチェイニーの頃に始まり、1986年のレーガン政権で一定の成果をあげたサプライサイドベースの政策はここに来て更なる進展を見たことになる。減税およびサプライサイドの提唱者はこの税法改革により今後更なる改革が推進され続けることを期待しているだろう。税法の個々の規定に関しては法律を通すために通常では共和党が合意するとは思えないものも残っているが、Big Picture的には法人税21%、テリトリアル課税、5年間におよぶ設備投資減税、とサプライサイドからすると18カ月前ではその審議すら考えられなかったポリシーがLaw of Landになっているというまさに改革という名に相応しい成果と言っていいだろう。こんなことを就任一年目で達成してしまったにもかかわらず無能振りばかりがメディアで報道され、その成果はまるで闇に葬られているかのように触れられないのはやはり人柄だろうか。もしかしたら一般人が気づかぬ間にしたたかに仕組みを変えてしまう演出だったりしてね。

と、余りポリティカルな話しをしてもしょうがないので次回からはいくつかの規定そのものに関してもう少しDeepに触れてみたい。